耐用年数20年の防草シートはあるのか?
植樹ニューマットC-3の公表耐用年数は約10年ですが、あくまでメンテナンス・フリーを前提とした数値で、実際に20年間使用された現場のサンプルを計測しても十分に防草効果を発揮できるだけの強度は保持されており、適切な維持管理さえ行えば20年以上の使用に耐えることが可能です。
20年保たせるための適切な維持管理と作業頻度は?
主な維持管理はシート上の土埃を除去することで、周辺環境にもよりますが2~3年に1回程度の簡単な清掃で十分です。また強風地域等では部分補修などが必要な場合も想定されますが、いずれも発電施設の定期維持点検作業の際に併せて行えば、余分な経費が掛からず、必要最低限の予算で維持することができます。
砕石の下に敷く方法と、シートのみ敷く方法では?
防草シートを砕石の下に敷く方法と、シートのみ敷く方法には、それぞれ以下のような長所と短所がありますので、使用される防草シートの特徴や設置場所の周辺環境、自然条件なども加味した上で、適した方法を選ぶ必要があります。
長 所 | 短 所 | |
---|---|---|
砕石下に敷設 |
・シートが紫外線や強風など自然・環境による影響を受けにくい。 ・固定ピンや接着剤などの副資材費が安く抑えられる。 |
・土埃がシート上に溜まりやすく飛来種子による雑草が発生しやすい。 ・砕石の敷き均し手間(材工)が別途必要。 ・施工後のシートの状況視認、維持補修が困難。 |
シートのみ敷設 |
・土埃が溜りにくく雑草が発生しにくい。 ・シート敷設のみで別工種の費用が発生しない。 ・施工後のシートの状態が視認でき維持補修が簡単。 |
・シートが、紫外線や強風など自然・環境の影響を受けやすい。 ・完全な施工には接着剤などの副資材が必要。 |
防草シートは濃色で高温化するのでは?
濃色の防草シートは熱を吸収しやすく、砕石やコンクリートに比べ表面温度はより早く上昇しますが、逆に、日が陰ると一気に温度が下がります。
この事は防草シートの比熱が砕石やコンクリートに比べ、非常に小さい事を表しています。
また一方で、単位体積当たりの質量も、はるかに小さい事は敢えて言うまでもない事実です。
以上の事は、防草シートは熱量も熱容量も、砕石やコンクリートに比べると遥かに小さい事(温度が高くなっても触れ合う他の物質の温度を上昇させる熱エネルギー量が圧倒的に少ない。)を表しており、砕石やコンクリート以上に空気を介して太陽光発電施設に温度影響を与える事はありません。(70℃のお湯につかると火傷をするが、同じ温度のサウナ風呂(水蒸気)に入っても火傷をしないのと同じ理屈です。また実際に防草シート等の表面とモジュール下面との温度を計測したデータもありますが、温度影響はありませんでした)
トータルコスト的には除草費と比べどうなのか?
あくまで概算で20年対応の防草シートを使う場合を想定すると、除草コストが㎡あたり@100円/年以上必要であるとすれば、トータルコストでは防草シートの方が明らかに安くなります。
20年間通じての人件費の変動や、様々な偶発的維持コストなどを考慮すると、建設初期段階で除草管理費用を固定化できる防草シートは、イニシャルコストは掛りますが、将来の安心を買う工種であると言えるでしょう。
ph(酸・アルカリ)などに対する化学的強度は?
他社も含め、一般に化学繊維系防草シートに用いられている素材は、ポリエステルあるいはポリエチレンで、これらは、酸やアルカリ、アルコールなどに対する耐薬品性(塩素系有機溶媒は除く)が良いことで知られています。
逆を言えば、これらの繊維を侵すほど強力で極端な化学特性を持つ土壌・環境では、ほとんどの植物は生息することができず、防草シートも不要という事になります。
土木安定繊維(ジオテキスタイル)にとっては、耐薬品性の高さは製品の長所となりえますが、防草シートの専門メーカーである弊社では、草の生えない場所にまで無駄な予算を割く事に繋がる為、通常、耐薬品性の高さを敢えて強調しておりません。
施設を撤去・更新する際の処分は?
施設を撤去し更地に戻す必要がある場合は、発電設備の架台や構造物の瓦礫と同様に、産業廃棄物として処分が必要です。
構造物の設計変更をせず、発電設備を入れ替えて施設を更新する場合は、敢えて古いシートを撤去せず、上から新しいシートを重ねて敷き詰めて防草シートも更新してください。
施工前の現地調査は必要か?
環境アセスメントではありませんので、施工前の現地調査から判断できる、事業者様にとって必要な情報とは、もともと現地に生息している雑草の処理について抜根が必要か不要かという1点であると考えられます。
だとすれば、弊社は雑草対策のプロとして、現地の写真(晩春~初秋の時期のもの)をお送り頂くだけで、無償で適切な事前処理のご提案をする事が可能です。
無駄な経費を投じて現地調査し、現地に生息する雑草をリポートする事は、事業者様の不安を煽るだけの行為だと弊社は考えますし、ローコスト化を計るため製品単価を調査費まで含めた設定にはしておりません。
ただし関係機関や周辺住民の方々からの要請がある場合は、費用をご負担頂ければ現地調査をする事は可能です。
逆に、施工前の現地打合せは、事業者様、施工業者様の不安を払拭するための大切なプロセスですので、必要に応じ無償でお受けいたしております。
防草シートを設計したことが無いが?
平面図をお預かりできれば、成約の如何に関わらずシートの割付けや積算、見積りまで無償でお受けいたしますので、御気軽にご相談ください。 またこれらのサービスで得た情報は、守秘義務をもって他へ漏えいする事はございませんので、ご安心ください。
施工も含めた材工共での発注は可能か?
勿論、サブコンとして材工共での受注も可能です。
しかしながら、サブコンの数が増えるほど事業者様の経費負担が増加します。
防草シートの施工は複雑な工程や、特殊な機材を必要としない誰にでも簡単にできる工事です。
施工マニュアルもご用意致しておりますので、設備工事を担当される施工業者様に併せて御発注されることをお勧めします。
メンテナンスなどのアフターサービス体制は?
実費をご負担頂ければ、メンテナンスや経過報告書の作成は可能です。
しかしながら保守マニュアルもご用意いたしておりますので『Q.施工も含めた材工共での発注は可能か?』と同じ理由で、発電設備の保守業者様に併せて御発注されることを、お勧めします。
ただし、トラブル発生時やメンテナンス時の様々な問題や疑問に対するサポートについては、施工後の経過年数に関わらず、随時無償でお受けしておりますので、御気軽にお問い合わせください。